マンション大規模修繕協議会をサポートする専門家のミーティングに参加してきました。
協議会には北海道から九州まで、全国で大規模修繕にかかわるコンサル・専門家が集まっていて、隔月で様々な情報交換と学習が行なわれています。
いま、各地の現場はどのような状況で、どのような問題が起っているか、また新しい取り組みとしてどのようなことが進められているか、等々の話題について活発に議論が交わされます。
最近の話題の中心は、何と言っても高騰する工事費と、職人不足による工期の長期化です。
参加メンバーのほとんどが予算オーバーによる大幅な工事内容の変更や、施工時期の見直しを経験していました。
再度の消費増税や東京オリンピックなどの影響を考えると、コストが下がる見通しはなかなか立てにくいというのが大方の共通する見方ではありますが、一方で、今秋以降の工事が受注できていない施工業者さんも結構いるらしくて、そういう業者さんが見つかれば意外とコストを抑えられるかも、といった希望的な見かたをするメンバーも居ました。
そして、現状確認に続き、「工事足場」をめぐる最近の動向について専門業者を招いて学びました。
そもそも、足場を設置して行う修繕工事を大規模修繕工事というごとく、大規模修繕工事と足場は切り離せないもので、工事を巡る多くのクレームのもとにもなるものです。また最近の価格高騰と、工期の長期化の主因の一つともいわれています。
従来型の足場では、視界が塞がれることによる不快さや、防犯上の不安を訴えられることが多く、また移動昇降足場といわれる大型ゴンドラ形式の足場も開発されていますが、コストと、施工時期の不安定さが難点といわれています。
今回学んだ足場はゴンドラ形式で、これまでゴンドラ形式の弱点といわれた、揺れなどによる不安定な現場状況や、横移動が不便なことによる施工効率の悪さを克服するために、ゴンドラ固定レールを設置したり、横移動レールを設置するなどの改良がされています。また養生ネットを必要に応じて上げ下げできることで養生ネットの不快度が大きく抑えられるなど、大幅な改善がなされているようです。
コストも含め、どの方式がベストなのかは現場状況により異なります。それぞれの現場にふさわしい方式を選択したいものです。
一同、納得のミーティングでした。