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電力の自由化と原子力発電

東日本大震災から5年がたちました。
震災の日にあたる3月11日前後にはたくさんの震災に関する報道があり、復興のようすがレポートされています。それらをながめていますと、場所によってまちや生活の復興の進み具合いに大きな違いがあるようです。津波からまちを守るための土木的な対策が力強く進められているのに対し、住まいやくらしに欠かせないお店、事業所などの再建は思うように進んでいないように見えます。
なかでも特に目をひくのが原発の崩壊により放射能汚染地域として避難を余儀なくされた地区のまちの様子と、避難された方々から発せられるやりきれない思いです。街も家も残っているのに帰れない、いつになったら帰れるのかわからず全く将来の見通しが立たないくやしさがひしひしと伝わってきます。
そして除染の作業車だけがとおる道路や大量に並んだ除染の廃棄物が映し出される光景には今さらながら原発の持つ怖さを感じます。

一方、電力会社により原発の再稼動が着々と準備され一部再開されたと思ったら、大津で裁判所による運転停止の仮処分決定があり、運転ストップという状況があります。

このような状況下、今年4月から電力の供給が自由化されます。
これまで独占供給してきた地域電力会社に加えて、新しい事業者が電力供給できることになり、消費者は自由に供給事業者を選択できるようになります。
これには、消費者がより安い電気や新しいサービスの提供を受けることができるようになるというメリット同時に、供給の安定性の問題や発電燃料のCO2排出による環境汚染の問題などが残されます。
私たち消費者に供給事業者の選択がゆだねられることになりますが、選択する際には決して価格が安いからといった表面的なメリットだけでは選ぶことのないようにじっくりと検討して賢明な答えを導きたいものです。