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高齢化・住まい・暮らし・・・

一昨年より私たちの事務所で取り組んできた新しいプロジェクトが3月末に完成しました。
このプロジェクトは、大阪市内の老朽密集市街地と言われるエリアで老朽木造住宅10数棟をクリアランスし、1棟のビルに建て替えるというものでした。
事業主となったのは、地域でまちづくりに取り組んできた地元のまちづくり会社と、地域に根付いた取り組みを進める社会福祉法人です。
両者ががっちりとタッグを組み、1つの複合ビルを創り上げました。
したがって、完成した建物は見所いっぱいというか非常に中身の濃い内容になっています。
建物は6階建で、まず1階には地域での配食サービスをサポートするための「コミュニティキッチン」と「まちづくり会社のオフィス」が入ります。
2階、3階は「地域密着型の特別養護老人ホーム」で、4階から6階は「賃貸住宅」となっていますが、4階の半分は「ケアホーム」という障がい者のための居住施設として利用されます。
賃貸住宅は、当然ながら高齢者の入居が中心になることが予想されますが、若い人達にも一緒に住んでいただいて世代を超えた交流が生まれることを期待しています。
立地が、商店街と幹線道路の交差点という非常に利便性の高い場所ですので、様々な可能性や効果が期待できます。
高齢化社会における下町住宅のモデルとしておおいに情報発信できればいいなと考えています。

深刻なくらい高齢化が進行しているマンションが多くみられる昨今、建物のバリアフリー化に取り組んでおられるところは多いと思いますが、それだけでは対応しきれない時期がやってくることも想定しておく必要がありそうです。
皆さんがお住まいのマンションの共用スペースの活用方法、入居者間の情報伝達やコミュニケーションのあり方、地域とつながったケアのあり方、などについて考え始めてみてはいかがですか!