モノやサービスには経済的な価値の指標として価格というものがあります。
しかし同じものでも、それが提供される場所や、周りの状況によって価格が大きく異なる場合があります。
今、あるマンションで大規模修繕工事の施工業者選定のお手伝いをしています。
管理組合にとっては、高額な支出を伴う一大事業ですから、修繕委員の皆さんも必死に頑張っておられます。
この間の経過を少しお話いたしますと、
まず選定の第1ステップとして、見積り参加者の公募を行なったところ30社を超える参加申し込みがありました。驚くような数ですが、これが現状です。
その中から数社を選び出し、第2ステップで見積り提出を依頼しました。
そしてフタを開けてみると、驚くような価格が並びました。
いずれも予定価格を大きく下回り、しかも上下では大変大きな価格の開きがありました。
管理組合からすれば安ければ安いほど嬉しいのですが、それだけで発注先を決めるのには不安が残ります。
そこで、現状で適切と思われる価格を想定したうえで、価格と各社の経営状況、技術力、実績等を併せて総合的に判断することにしました。
工事を依頼する側が、安心して発注するための適切な判断が下されたと思います。
建設業界を巡っては、驚くようなダンピングが横行して様々な問題が生じています。
受注する側が持続的に良質のものを提供でき、発注する側が安心して依頼できる価格、それが適正価格というものではないでしょうか。