屋上防水の劣化による漏水が発生し、施工したゼネコンとトラブルになっているお施主さんから相談を受けました。
このマンションは今から15年前に竣工したもので、屋上にはシート防水が施されています。
漏水が発覚したのは、最上階の住戸の壁がよごれ、クロスがはがれてきたのが発端です。
これが、竣工後9年半程経過した時のことで、原因を調べてみると屋根のシート防水の不具合によるものと判断されました。
そこでゼネコン側で検討した結果、防水の部分補修を施しまた。
ところが、2年後にまた同じ住戸で同じ状況が発生したのです。
しかし、最初の時は防水工事の保証期間内であったのですが、今度は保証期間を越えております。
どうするか話し合いましたが、結論が出ないまま漏水状態を放っておけませんので、お施主さんは別の業者に補修工事を依頼しました。
そこで、工事費の負担をめぐってトラブルが生じている訳です。
ここには問題点が2つあります。
1つはゼネコンの防水工事が当初、部分補修時とも、問題がなかったかと言うことです。
2つ目は保証期間の扱いについてですが、それは、当初の施工状況及び補修工事の施工状況と密接に関連してきます。
これらの判断をめぐってゼネコンとお施主さんの間で判断が異なり、争いとなっているのですが、非常にむずかしい問題だと思います。
それでは、このようなことにならないためには、どうすれば良いのでしょうか。
そのためには、定期的に建物の状態を点検・チェックすることが最も有効です。
継続的に点検を行なうことで、建物の劣化の経年的な変化が正しく把握できますし、保証期限の有効な活用も出来ることになります。
「自分たちのマンションは自分たちで守る」という当たり前のことを実現するために、ぜひとも定期的な建物点検・チェックをしてみましょう。