先月の23日、24日と連続して九州の大牟田市で、一般財団法人 高齢者住宅財団の主催する、高齢者の住まいと介護に関する研修会が開催され参加してきました。
大牟田市は官民一体となって、地域ぐるみで高齢者(特に認知症高齢者)への取り組みが進められている、地域包括ケア先進地といわれているところです。
初日は見学会で、市営住宅と一体に整備された高齢者施設や、廃校を活用した高齢者住宅、市営住宅と同居する地域交流施設などを見学し、高齢者支援のさまざまな取り組みについて話を伺いました。
大牟田市では、小学校区ごとに、地域交流拠点と小規模多機能ホームを設置し、そこでの日常的な活動と連携を中心として地域包括ケアシステムが構成され、同時にテレビ等で紹介され話題を呼んだ徘徊高齢者を見守る「ほっと安心(徘徊)ネットワーク」が組まれています。
2日目は、行政職員、研究者、実務担当者、学生、市民が一堂に会してのセミナーで、さまざまな視点からの報告と提案がありました。印象的だったのは、多くの方々が、空き家問題と関連付けて報告されたことです。高齢化と人口減少という流れのなかで大量に発生する空き家問題はしっかりと受け止めて対応しなければならないようです。
今回の研修会のテーマである、社会の高齢化と住まいをめぐる問題は、都市部の分譲マンションにおいてもまったく同じです。すでに、高経年マンションといわれる、築後30年を超えるマンションでは、空室が目立ち、介護サービスを受ける入居者も急増しています。
将来をみすえた安心のマンション暮らしをつくるためには、自分たちのマンションだけで完結させない、広く地域と交わり相互に支援し合うといった視点が必要です。
積極的に地域と交流できるスペースを設置したり、空室を地域のネットワークの中で活用する仕組みをつくったり、地域の状況に合わせた工夫が求められるようです。