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色あわせはむずかしい!!

大規模修繕工事と切り離せないものに外装仕上げの色あわせという作業があります。外壁の仕上げがタイルであっても塗装であっても、仕上げの色あわせは必要です。

塗装の場合はほとんどが全面塗装になるので元の色と不調和ということにはなりませんが、新しく塗装することになるので採用する色の選択肢が拡がります。しかし自由に拡げすぎると、色の好みは極めて個人差の大きいものですから収拾がつかなくなります。
そんなことから、多くのマンションでは元の色と同系色が選択されていますが、それでも濃淡や色粉の配合割合のわずかな違いでイメージが全く変わってしまうことがあり、非常にむずかしい選択になります。
さらにむずかしいのが、タイル補修での色あわせです。
タイル補修では、全面張り替えということはまずありえなくて、基本的には部分補修となります。したがって張り替えるタイルと既存タイルの色が違っていると、つぎはぎだらけの見苦しい外観になってしまいます。そこで色あわせが重要になってくるのですが、これが大変難しいのです。
既存のタイルは長い年月、太陽や雨風にさらされ色あせたり変色したり汚れたりしています。そのため既存のタイルが既成の標準品であっても現状と同じ色のタイルは存在しません。しかも、この変化は外壁面すべて一様に発生しているわけではなく、方位や隣接建物の状況によって日当たりの条件や雨掛かりの条件が異なることで、位置によって外壁面の変化に大きな差が生じています。
そこで施工に際しては、施工業者はタイルの見本焼きをして管理組合に提示し、管理組合で色決めをすることになるのですが、陽の当たる面と当たらない面で、全く違って見えたりするので大変難しい作業になります。

タイルの場合はこのような色あわせを繰り返した後での注文生産になりますから、そのための時間的な余裕がなければ、安易に妥協して後悔することになります。
そうならないためには、時間的な余裕を持ち、様々な条件を想定した上で、慎重に丁寧に選択することを心がけて下さい。