管理組合の役員さんから、次のような内容の相談を多くいただきます。
「理事会が、大規模修繕を管理会社にまる投げで進めようとしており、納得がいかない。他の役員に話しても、なかなか賛同してもらえない。」「管理組合の貴重なお金を使うのに管理会社まかせでは、みんなの納得が得られるような支出にはならない。あとで後悔しないために公正で安心できる進め方をしたいのだが、どうすればよいか教えてほしい」・・・・
先日も、30戸足らずのマンションで予算が非常にきびしい中、一生懸命がんばっておられる役員さんから、なんとか、管理会社にまる投げと言う事態だけは避けたいと言うことでお電話いただきました。
事情を聞いてみると、管理会社さんが非常に良くやってくれているので任せておけば大丈夫、と答える管理組合員が大半だそうです。しかし、よくよく聞いてみると、管理会社から派遣されている管理員さんが、人柄もよく大変良くがんばってくれているので、任せておけば大丈夫という判断をしているということのようです。
また、管理会社さんに任せておけば、自分たちが動かなくても、予算の範囲で上手にやってくれるから安心、と考えている人も多いようです。
このような状況は、このマンションに限ったことではありません。
しかし、一時に大きな予算を伴う大規模修繕業務は、日常の管理業務とは全く別のさまざまな専門的能力が求められる業務であり、日常管理業務の延長で考えられるようなものではありません。したがって、管理員さんの仕事ぶりから判断して、管理会社にまる投げしてしまうなどというのは大変危険ですし、自分たちが動かないで済ましたことが、後になって「高かったのではないか?」とか「何であの業者に決まったのか?」等の不信感のもとになります。
だからといって、管理会社に任せたら絶対ダメだと言っているのではありません。
豊富な経験で、真面目に取り組んでいて、信頼できる管理会社もたくさんあります。
しかし、「自分達のマンションは自分達の手で守る」というのがマンション大規模修繕の大原則です。管理会社にまる投げするのではなく、管理組合として、みずからいろんな方法を比較検討し、自分達に一番ふさわしい方法を選択することが必要なのです。
来る11月26日に第6回大規模修繕セミナーを開催します。
多くの方々のご参加をお待ちしています。