先月、大阪で3回目となるマンション大規模修繕セミナーを開催したときのことです。
講師の話が終わったあとの質疑応答で、会場の参加者より次のような質問が出されました。
「友人から聞いた話ですが、友人の住むマンションでコンサルタントを選んで大規模修繕工事を進めていたところ、そのコンサルタントが裏で工務店からお金をもらっていたのが発覚して大変な問題になりました。こういう事って防ぐことができないのでしょうか?」
建設業界では、古くから、談合とか裏リベートといったことが言われており、そのようなイメージを持たれる市民の方々も少なくありません。また、悲しいことですが、コンサルタントが自分たちの仕事の確保のために、管理組合を欺いて不適切な関係で仕事を進めるということが現実にあることも完全には否定できません。
このような事が起こる背景の一つとして、行き過ぎた価格至上主義ということがあげられます。とにかく安く発注したいという考える管理組合から、普通ではとても実行できないような価格で受注したコンサルタントが受注額で不足する分を施工業者から受け取るという構図が出来上がるわけです。
では、このような事態を招かないためにはどうすればいいのでしょうか。
100%確実と言える答えではありませんが、施工業者の選定システムを管理組合主導で完全に透明にし、その選考過程でコンサルタントの影響力を最小限にすることが最も有効な方法と言えるでしょう。
そのためには、施工業者の選考を完全公募にして、しっかりと時間をかけて行うことが重要です。時間がないからといって、一部の役員さんや管理会社、コンサルタントの紹介業者だけから選考するような事は絶対に避けたいものです。
そうすることで、コンサルタントや一部の関係者と施工業者の不適切な関係を絶つことが可能となります。